日本人が初めてカレーと出会ったのは、1863年(文久3年)のこと。幕末、フランスへ派遣された使節団が、洋上で乗り合わせたインド人たちがカレーらしきメニューを食べているのを目にし、日誌にその時のエピソードが記されています。
「飯の上に唐辛子細味に致し、芋のどろどろのような物をかけ、これを手にて掻きまわして手づかみで食す」。
この時は目撃しただけで口にする機会はなかったようです。
また、物理学者、教育者として名を残したに山川健次郎は、1871年(明治3年)にアメリカへの国費留学生に選ばれ、渡米する途中に船内でカレーライスを食べたと言われています。
ただ、このとき彼は慣れない船旅と食べたことのない肉ばかりの食事で体調をくずしており、ただ「ごはん」が食べたいという理由でカレーライスを注文したという説があります。ルウには手をつけずに、ライスのみを食べていたという逸話も残されています。
そのころの日本人にとっては、まだまだカレーは「得体のしれない、未知の食べもの」で、とても魅力のあるメニューではありませんでした。